東京長屋暮らし
「Lingkaran」11月号に、東京のお友だち夫婦がのっていました。テーマは
「心のまわりにある家」。
こだわりをもって自分のスタイルにあったお家で暮らす人たちを取材しています。
友だち2人は、
東京・文京区根津の木造2階建ての
長屋に暮らしています。
はじめて遊びに行った時、まるでタイムスリップしたかのようななつかしい空気に包まれて、その
長屋は待っていました。雨がふる寒い日で、駅まで迎えにきてくれた澤田君は時代劇に出てきそうな番傘をさしていました。友だち夫婦は、日本の古いものがとてもスキで、普段から着物を着ているような人たちでしたから、
長屋に暮らしているのがみょうにしっくりあっていました。
逆に彼らの家が、スタイリッシュな高層マンションだったら違和感を感じたかもしれません。
東京の下町といわれる根津でも、木造長屋はもう数えるほどで、住む人がいなくなった長屋はこわされて、新しい建物へと建替えられていくのが運命のよう。澤田君たちは「こんなにいい家を壊すのはほんとうにもったいない」と言っていました。コトリもそう思います。
持ち家でも、貸家でも、マンションでも、アパートでも、住む場所はその人の価値観があらわれるところです。暮らしていく姿勢というのか。
長屋暮らしの澤田君たちがステキだなと思うのは、彼らが人生で大切にしていることが、暮らし全体から伝わってくること。まだ若い2人だけど、台所から、箪笥から、洗面台から2人の思いがあふれています。2人とも東京出身ではありませんが、心は江戸っ子のようです。
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