コトリ17歳の夏
うたたねから起きると、
甲子園の準準決勝がやっていました。
早実 対 日大山形。8回の裏、早実が逆転しているところでした。
早実といえば、コトリの地元の高校。王監督や荒木選手などを輩出した名門校です。
終盤に逆転する粘りの強さは、早実の底力なのでしょう。
今年はぜひ優勝してほしいです。
かくいうコトリたちの高校も、十数年前に
夏の甲子園に出場しました。
とくに野球の名門校ではなかったと思うのですが、あの夏「ミラクル」といわれる快進撃で甲子園までのコマをすすめたのです。西東京所属だった母校は、当時から強豪といわれてた帝京高校と同じブロックで、準決勝まで進むのはむずかしいだろうと予想されていました。
が、強豪帝京高校が、わたしたちの高校と当たる前に、まさかの敗退をしたのです。そして、強敵がいなくなった母校は、あれよあれよといううちに甲子園への初キップを手にいれたのです。
バトン部に所属していたコトリは、チアガールとして憧れのアルプススタンドに立つ日がきたのです。学校が一丸となって野球部を応援したあの夏。まるで自分がグラウンドに立っているような気持ちで、ドキドキしながら歓声をあげました。今でも目をつむると、「ちびまるこちゃん」や「狙いうち」、「鉄腕アトム」などの応援の曲が胸いっぱいに響きます。あんなにうれしくて、幸せな夏があったことを、きっとずっと忘れません。
一生懸命な高校野球児を見ると、誰もが一度しかない夏があったことを思い出すのです。
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