憧れのリヤカー商会

コトリ

2005年08月10日 09:43

ひめゆり通り沿いに「リヤカー商会」という小さな自転車屋さんがありました。
そのネーミングと古い店構えからして、最初は「なんだあのへんてこな店は」と思っていました。ある日、自転車のタイヤがパンクして、遠くの自転車屋さんにもっていくのは大変だから、近所のリヤカー商会に修理をお願いしました。
職人気質のおじさんは、サービス業という雰囲気はないのですが、待っている間に、道路においてあるソファーをすすめてくれて、テレビもコントローラーまでわたしてくれました。「ゆっくりテレビでも見ててまってね」と言いながら、手早くタイヤのチューブを外し始めました。
テレビを見ていると「こっちきてみて」と何度もよばれ、自転車のつくりやなんでパンクしやすいのかなど細かく説明してくれました。

おじさんはきっと自転車をとても愛していて、この自転車をなおすという仕事を一生懸命やっています。その日から、リヤカー商会の前を通るたび
「今日もいい仕事しているんだろうな。おじさんみたいに仕事がしたいな」
と思うようになりました。

先日、リヤカー商会の前を通ると、お店は閉じられ「貸し」看板が貼られていました。自転車がパンクしてしまった今、たよれる自転車屋さんがなくなってしまったことはざんねんですが、リヤカー商会のことはずっとおぼえていようと思いました。
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