海へと続く道
沖縄を歩いていると、
いつも「海に近づいていっている」気持ちがします。
海の見えない場所でも、
右か左か、もしくは自分の両側に海を感じるのです。
一歩一歩が海に通じている感覚。
沖縄で育った人は、体の中に海の存在感を、
ずっしりと、広々と、体の一部のように持っている
のだろうなと思います。
私はまだ2年しか沖縄で暮らしていませんが、
それでも毎日、この土地で動き、眠り、生活していると、
やっぱり海の存在が、自分の中に浸透していっているのを感じます。
どんな場所で生まれ育ったかは、
大人になってからの人生観にも影響を与えるのでしょう。
私は、海も山もない街中で育ちましたが、近所に神田川がありました。
川幅も狭いし、水もあまりきれいではありませんでしたが、
「水がどこからか来て、どこかへと流れていく」
という感覚は、体の中にうめこまれているのかもしれません。
橋の上から棒切れを投げて、グングン流れていくのを見ては
「あの棒は海まで流れて行くんだよ」と誰かに教えてもらった記憶があります。
「今、私は河から流れ着いて、海にいるのだろうか?」
とぼんやり考える土曜日の朝です。
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