2006年08月09日

それぞれの場所

タイ留学から、友だちのもっちが帰ってきました。
もっちは、昔からタイが大好きで、大好きで、いつかタイに暮らすことを夢見ていました。
日本ではタイ料理屋さんにはよく行くし、タイ語も勉強するし、タイフェスタではタイレストランの広告のデザインや屋台の手伝いまでしていました。
そんなに好きでも、恋焦がれていても、ぱっと飛び出していけない理由もあり、タイ留学はずっと延期しているような日々が続いていました。でも、この春から4ヶ月間タイで勉強できることになったのです。タイでの夢のような幸せな日々。お金じゃ買えないたくさんの幸せ。タイの話をするもっちの目がキラキラしていました。これで自分も満足するだろうと思っていたはずが、タイにいると完全にしっくりとくる自分のDNAを確認する旅になってしまったようです。
まだ帰国して1週間くらいしか経っていないのに、「タイに早く帰りたい」という気持ちでいっぱいなのです。

そして、湘南が大好きなまっちゃん。ここ数年、仕事の関係で都内で暮らしているのですが、早く以前住んでいた湘南に帰りたくて仕方ないというのです。まっちゃんが湘南に暮らしている頃、「湘南から東京に毎日通勤するのは大変だろうな」と思っていたので、やっぱり便利な東京に引っ越したのかなと思いましたが、どうやら違うようです。世界のいろんなところを旅して、日本もいろいろ旅して、時には違う土地にも暮らしてみたけれど、自分の戻ってくる場所はやっぱり湘南だと確信しているようです。「東京からそんなに離れていないのに、ここに戻ってくると、空気がぜんぜん違うんだよね。ほっとする」と語っていたのを思い出します。

そしてわたし。もっちと同じように、4ヶ月限定で沖縄暮らしを体験するはずだったのに、今もまだ沖縄に居座り続けています。もうすぐ丸3年。沖縄に暮らし始めて1週間が経つ頃から、沖縄をはなれる日を考えるだけでさびしくてしかたなかったのを思い出します。だから、4ヶ月で日本に戻ってきたもっちの切なさがなんだかわかるのです。もっちやまっちゃんのように、「沖縄が絶対わたしの場所」という確信はないのですが、ここに暮らしていると、景色や音や風が細胞にしみいるように感じるのは確かです。

3人で久しぶりに会って、「人は『それぞれの場所』をもっているんだ」と感じました。自分がしっくりくる場所。それがどこか、探せる、選べるのは幸せなことだと思う。
「お互いの場所でがんばろう!そしてまた会おうね」
と手をふって別れたある日の昼下がりでした。


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Posted by コトリ at 00:42│Comments(0)日々のこと
 
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