映画「蟻の兵隊」

コトリ

2006年11月27日 22:14

桜坂劇場で蟻の兵隊を見てきました。
映画の最初から最後まで、心の中は涙でいっぱいでした。
くやしい、悲しい、こうはしていられない。という気持ちです。

映画の内容は「日本軍山西省残留問題」。1945年終戦後に、日本軍による命令で中国に残留して、中国共産党軍と戦闘を続けた日本兵の真実を追究するドキュメンタリーです。

見るまえからこの映画の重さはなんとなく分かっていたので、「仕事帰りは疲れているから」とか「休日はほのぼのしていたい」とかそんな理由で先延ばしにしていました。
でも今日見ることができてほんとうによかったと思っています。
映画の最初の部分で、主人公の元残留兵の奥村さんが靖国神社の境内で、縁日の焼きソバを食べる女子学生たちに語りかけるところがあります。
奥村さん「ここはどんな人が祀られているのか知っているの?」
女子「しらなーい。初詣にきただけだし、近かったから・・・」

これはまさしく数年前のコトリの姿です。靖国神社がどういう意味をもった場所なのかも知らず、縁日がたくさん出るからと、初詣にいっては「今年もいい年でありますように」なんて自分のことばっかり願っていたおバカなコトリ。

この映画を見て、どうしても思い出してしまうのが、現在裁判中の沖縄戦に関わる「岩波訴訟」。「慶良間諸島の住民が集団自決したのは軍命か、否か」という裁判です。

桜坂劇場では、昭和天皇を描いた「太陽」も上映中。こちらも、あわせてみるのをおすすめします。
しっかりと歴史を振り返ることからはじめようと、今さらながら思うのです。
「蟻の兵隊」は、今週の金曜日(12/1)までの上映です。
とにかく多くの人に見てほしいと思いました。たとえ仕事を早退したとしても!いそいで、いそいで!
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