石井桃子さん
児童文学作家の石井桃子さんが昨日なくなられました。
101歳でした。ご冥福をお祈りいたします。
石井桃子さんといえば、「ノンちゃん雲に乗る」で有名ですが、コトリの蔵書「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」の翻訳もしています。この翻訳が素晴らしい!のです。といっても英文で読んだことがあるわけではないのですが、プーのちょっと気が抜けたような素朴さ、素朴がゆえの強さ、ユーモアがじゅうぶんに伝わる文章なんです。
この「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」を読んで、コトリの中のなにかが動きました。この先続く人生によい影響を与えてくれたのはたしかです。
作者のミルンは、この物語を自分の息子のために書きました。そして息子が大きくなってからは、子供の本はふたたび書かなかったそうです。石井桃子さんと「クマのプーさん」がはじめて出会ったのは、25、6歳のとき。あるクリスマス・イブに、ある家ノツリーの下に"The House at Pooh Corner"(『プー横丁にたった家』)を発見して、子供の前で訳してあげた時からのつきあいだそうです。「プーの本は、生まれるべくして生まれてしまったのです」と石井桃子さんがあとがきに書いたように、プーと桃子さんも出会うべくして出会ったのでしょう。
素晴らしい翻訳をどうもありがとうございました。
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