「西の魔女が死んだ」
「西の魔女が死んだ」(梨木香歩作)。
本屋さんで文庫本がたくさん平積みされているのをみて、読んでみたいなという気持ちと同時に「ん?このタイトルに記憶があるぞ」という気がしました。
実家にいって本棚を探してみると、やっぱりありました。
本の間にレシートまではさんだままになっていて、日付をみると1998年5月2日。約10年前です。
10年前というと、あの会社に勤めていて、周りにはあんな人たちがいた時代かーとなつかしい気持ちになりました。
実は、この本最後まで読んでないのです。最初の数ページで読むのをやめてしまったのです。
当時の私にとって「魔女」というキーワード(物語設定など)にしっくりこなかったのかもしれません。
いずれにせよ10年後の今、「西の魔女が死んだ」を読み始めたのです。
そして感想、「こんな素晴らしい物語をわたしとしたことが10年もほったらかしにしてたなんて!?」。
今の自分には、とても胸に染み入る物語でした。
「悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決めたことをやり遂げる力です。その力が強くなれば、悪魔はそう簡単にはとりつきませんよ」
「まいにとっていちばん価値のあるもの、欲しいものは、いちばん難しい試練を乗り越えないとえられないものかもしれませんよ」
おばあちゃんは、魔女修業をして強くなりたいと思うまいに言います。
魂のこと、死のこと、幸せの意味、この物語にはそんな答えをみつけるためのヒントがたくさん散りばめられているような気がします。この物語を読んで、コトリはいつか誰かのおばあちゃんになりたいと思いました。そして「アイ・ノウ(わかっていますよ」と孫に優しくうなずくのです。(魔女コトリ)
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