世界でひとりぼっちの、ふたり。
桜坂劇場に
「サラ いつわりの祈り」を見にいってきました。
どこに救いをみつけたらいいのかわからない痛みを感じながら、そしてそれは最後まで消えないまま映画は終わってしまいました。
里親のもとで暮らしていた少年は、ある日突然母親
サラの元につれもどされます。
サラは私が思っている母親像とはあまりにもかけはなれたものでした。
娼婦である彼女との生活は、ドラッグと暴力にあふれています。
最初は反発していた少年も、いつしかサラを母親として愛するように。
「ボクがママを守るから大丈夫」
ドラッグで精神がこわれてしまったサラを抱きしめる細い腕・・・。
どんなに救いようのないストーリーでも、映画が終われば悪夢も終わります。
でも、このストーリーは、原作者のJTリロイの自伝だというから、これは現実にあった話。
「こういう世界が存在するんだ」という事実に、かなりの衝撃をうけました。
JTリロイ自身、なぜこの話を小説にしたかということについて
「まったく違う世界があるということを知ってもらいたかった」
といっています。
たしかにリロイの狙い通り、私は「まったく違う世界」を知ることになりました。
自分が今見ている世界は、世界のほんの一部分にすぎないということも。
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