草薙厚子さんの追跡
沖縄に引越す前1年間、ジャーナリストの
草薙厚子さんのアシスタントをしていました。
草薙さんの後について、永田町の政治家に会いに行ったり、戦争前のイラクに行ったり、学者や研究者に会いに行ったり。見ること聞くこと、全てが未知の世界でした。
その中でも、特に興味をもった分野がありました。
「子供たちの心と体に何が起こっているか」
ということでした。
というのも
神戸の少年A事件をかわきりに、
次々と世間を騒がしてきた少年たちの残虐な犯罪の不可思議。
私は、子供という存在に昔から興味をもっていたので(自分が子供だったときから)
「なぜだろう?」という気持ちを抱えながら、
チーム草薙の取材を続けました。
草薙さんの着眼点は今までの世間の観点とは違うものでした。
「心の闇」と言われている部分を、「脳の機能」という点で掘り下げていったのです。
元東京鑑別所法務教官として、さまざまな少年を見てきた彼女だからこその視点が
そこにはありました。
ゲームやメディアの氾濫をはじめとした、
社会環境の変化が与えた子どもたちへの影響を考え、
いろんな角度から追究し始めたのが2000年のことでした。
2004年6月、長崎の佐世保で小6の女子が同級生を殺害する事件が起きました。
加害女児は「普通の子だった」という言い方で世間に伝えられました。
草薙さんはこのことに強い違和感を感じ、
それこそが今回の出発点になったそうです。
「『普通の子』という表現にかくされた事件の真実とは?」
約1年にわたる事件の追跡が始まりました。
私も、
草薙さんの取材テープをテキストに起すという形で、
チーム草薙に参加させてもらいました。
そして今日は、その本の発売日です。
「追跡!『佐世保小六女児同級生殺害事件』」(草薙厚子/講談社)
子供をとりまくすべての大人に読んでもらいたい本です。
これ以上悲しい事件が起こらないように、
私たちは真実を知ることが大切だと思うのです。
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