オリジナルとまねっこ
最近、朝テレビをつけると
「盗作騒動」についてガヤガヤやっていますね。
なんでも文部科学大臣賞をもらった作家さんの作品が、イタリア人画家の絵にそっくりだとか。
たしかに、モチーフも構図も一緒。「専門家の人が見れば、違いは一目瞭然」と、疑惑をかけられている作家さんは言っているけれど、素人目から見てもあれだけ似ているってこと自体が問題のような・・・
この盗作騒動は別としても
、「オリジナル」観については、どこまでをどうとるかが難しいなーと時々思うのです。芸術分野では、その人独自の世界観や表現方法が大切だと思うのですが、まったく自分以外の世界からの影響がないはずはなく(『芸術は模倣だ』って誰かがいってなかったけ?)、「~っぽい」とか「○○系」とか言われるのはどの分野でもありそうです。
これまた話は少しずれていきますが、伝統工芸の「
紅型」においても
、『古典柄』といわれる型(柄)がベースになっています。わたしも、新しく型におこす時は、昔の着物に使われている図柄を複写して、線を細くしたり太くしたり、数を増減させたりして使っています。世の中に出ている作品も、結局のところ、梅とか竹とかそういった
古典柄の部品を、レイアウトやデザインによってアレンジしているものが多いようです。そして、それが「
伝統的な古典柄」といわれています。
以前、紅型の先生に
「古典柄っていうのは、すでにみんなの柄であって、盗作にはならないのですか?」と聞いたところ、それは昔から論争が続くところだと言っていました。
文章でも絵でも写真でも、素晴らしい作品に影響を受けるのはよいことだと思います。
憧れがただの真似にならずに、自分の世界を深めていく方向にいきたいものです。
今日は、熱があるので真面目なお話になりました。
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