『人生の旅をゆく』

コトリ

2006年07月21日 22:51

今、よしもとばななさんのエッセイ「人生の旅をゆく」を読んでいます。
帯の言葉は「思い出を たずさえて 人は生きる」。

文字通り、旅行先で起こった思い出や、生活の中のある一瞬の出来事などが綴られています。あんなに旅をしているばななさんが、旅嫌いだったというのははじめて知りました。そして、旅を終えて一番印象にのこっているのが、立派な遺跡でもなければ、美しい海でもなく、みんなと歩いたなんのへんてつもない道だったというくだりは、ふむふむと共感して読みました。

「・・・でも旅の前の『もう前と同じ自分では帰ってこられないのだ』
という気持ちだけは変わらない。
きっと旅をするにあたっていちばん大事な気持ちだと思う。
だって、ほんとうは毎日が旅なのだから。
そのことは普段はごまかしているけれど、
ほんとうに遠くへ行くときにたまたま気づくだけなのだ」(あとがきより)


そう毎日が旅なのだ。沖縄に暮らしているせいかもしれませんが、ここ数年、毎日が旅をしているような気持ちです。どんなに今日に似ている明日でも、明日になれば今日の自分に戻ることはできない。戻りたくても今しか味わえないこの一瞬を、感じつくしたいと思うのです。
たいくつなき持ちも、焦る気持ちも、目にうつる緑も、やさしい笑顔も、小鳥のかわいい仕草も。
みんな、みんな。

よしもとばなな「人生の旅をゆく」

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