若沖という人

コトリ

2006年08月20日 00:29

伊藤 若沖(イトウ ジャクチュウ)。
テレビや雑誌で特集されている話題の人らしい。
江戸時代の画家ということ以外の情報を持たず「東京国立博物館」の若冲と江戸絵画にいってきました。
わたしが行った日は、お盆休みの土曜日。

でも、午後からは雷雨になり、山手線までとまってしまうほどの悪天候。
上野の森を歩きながら「雷の時は、樹のそばに立つなというけれど、このように樹に囲まれている時はどうしたらいいの?」とおそるおそる到着した博物館は、人でいっぱいでした。
さすが話題の展覧会です。1枚の絵の前に何列もの人の層。
ガラスに貼りついて見るには、行列のうしろに並んで待たなければいけません。
外国の美術館と違って、入場制限がないかわりに、中でかなりの忍耐が要求されます。
でもなんとか「もう帰りたい」という気持ちに打ち勝ち目にすることができた若沖の絵は、たしかに同時代の作家たちに比べて斬新でシンプルで魅力的に感じました。動物の表情が、人から遠くないというか、見ているうちに愛着を感じてしまうような絵なのです。写真家星野さんと重なるところがあるよな気がします。
「鳥獣花木図屏風」は、一番印象にのこっています。日本を飛び越えて、インドあたりまでいっちゃっているような作品。いつの時も、時代を超越してる人っているんだなーと感心しました。

江戸絵画を鑑賞するにあたって、わたしがどうしても気になってしまうのが色づかいと色材です。「この鮮やかな赤は何からとった色なのかな?」とか「緑色がすごくきれいだけれど、天然の鉱物の色?」とか。一番、気になったのは蛤粉(胡粉・ごふん)の輝くような白色。

「本美術を鑑賞する際、光の果たす役割は非常に重要である」
というのが、今回のコレクションのオーナー、ブライス氏の言葉。
今回の第4展示室の「光と絵画の表情」のコーナーでは、ガラス越しではなく、照明装置を使い、「自然光のように変化し、作品に表情を与える陰影ある光」の中で江戸絵画を鑑賞することができます。

若沖さんは、どんな人だったのか気になります。8月27日(日) まで開催しています。
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