2005年08月10日

憧れのリヤカー商会

ひめゆり通り沿いに「リヤカー商会」という小さな自転車屋さんがありました。
そのネーミングと古い店構えからして、最初は「なんだあのへんてこな店は」と思っていました。ある日、自転車のタイヤがパンクして、遠くの自転車屋さんにもっていくのは大変だから、近所のリヤカー商会に修理をお願いしました。

職人気質のおじさんは、サービス業という雰囲気はないのですが、待っている間に、道路においてあるソファーをすすめてくれて、テレビもコントローラーまでわたしてくれました。「ゆっくりテレビでも見ててまってね」と言いながら、手早くタイヤのチューブを外し始めました。
テレビを見ていると「こっちきてみて」と何度もよばれ、自転車のつくりやなんでパンクしやすいのかなど細かく説明してくれました。

おじさんはきっと自転車をとても愛していて、この自転車をなおすという仕事を一生懸命やっています。その日から、リヤカー商会の前を通るたび
「今日もいい仕事しているんだろうな。おじさんみたいに仕事がしたいな」
と思うようになりました。

先日、リヤカー商会の前を通ると、お店は閉じられ「貸し」看板が貼られていました。自転車がパンクしてしまった今、たよれる自転車屋さんがなくなってしまったことはざんねんですが、リヤカー商会のことはずっとおぼえていようと思いました。


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Posted by コトリ at 09:43│Comments(4)お店
この記事へのコメント
一度も見たことのないリヤカー商会ですが、コトリさんのブログを読みながら
閉店?したこと残念に思いました。無骨ではあっても丁寧な仕事をすることが、お客さんたいする誠実、愛情なんでしょうね。沖縄の悪い所がふえるのは嫌ですが、リヤカー商会のおじさんのようなよい所は、失いたくないし、心を感じるような沖縄の良さはもっともっとふえてほしいと思いました。
Posted by ふーみんぐの泉川 at 2005年08月10日 10:52
そうなんです、そうなんです。
リヤカー商会のようなおじさんに出会った時、
沖縄にきてよかったなと思います。
いつか自分もそういう人になれる日をめざして。
Posted by コトリ at 2005年08月10日 13:22
リヤカー照会のお話良いお話ですね…
一生懸命の仕事は必ず受けている相手にも伝わるものですものね…
再来店できなくて残念でしたね…
おじさんの対応を、流してしまわずにきちんと感じる事のできるコトリさんの感受性も大切な沖縄の財産の一つでしょうね。

いつも思う ”対人(人間)関係は鏡” と近いお話だなぁ…
コトリさんのページにお邪魔する度、暖かい気持ちになれます。
Posted by fumi at 2005年08月12日 20:45
fumiさん、ありがとうございます。
”対人(人間)関係は鏡”、私もそう思います。
まずは自分が誠実な気持ちで接することが大切ですよね。
リヤカー商会のおじさんは、きっとみんなにいい輪をひろげていった人だと思います。
Posted by コトリ at 2005年08月13日 10:08
 
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