2005年10月18日

奥山君の日記

ここ1ヵ月、少しずつ読んでいる日記(ブログ)があります。
大学の同期生の奥山君の日記です。
久しぶりに連絡がとれた友だちから、教えてもらいました。

だけど、奥山君にはもう会えないのです。
この春、肺がんでなくなったそうです。
同世代の人の死には、大きなショックを感じます。
だって今、自分がこの世から去ることを想像したら、とてもやりきれなくなるから。
家族や恋人や友だちはどう思うだろう?
人生でやろうと思っていた夢は?
もう一度行きたいと思っていたあの場所は?

この世界に『ほぎゃー』と生まれる前に、
きっとそれぞれの魂が自分の人生設計をたてて、この世に生まれ、
人生で目的が果たせた時、この世界から旅立つものなのかな?
と、普段からボンヤリと考えています。

奥山君は、2年間という闘病生活を、日記という形でのこしています。
そして、3冊の本を出版して、この世から旅立ちました。
「闘病日記」というには、自分のことも病気のことも距離をおいた書き方ですが、
それがきっと彼にぴったりとあった表現だったのだろうなと思います。
淡々とクールな奥山君。
もう会うことはできないけれど、今もこうして彼の日記を読んでいると、
彼がその時考えていたこと、視線の先、息づかいが確実に伝わってきます。

文芸学科で、「文の道」を勉強した私たちですが、
奥山君の日記をみて、あらためて「言葉」と「文章」の力はすごいなと感じました。
奥山君の人生に敬意をはらいます。



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この記事へのコメント
ガンエヴォの奥山さんと同期生なんですか~。
奥山さんのことを知ったとき、ブログを一気に読みました。
テレビでも何度か見たことがあります。
すごく冷静で「淡々と」という表現がぴったりするな~と思ってました。

牧野出版のブログも読んだことありますか?
コトリさんのリンクしてあるブログより後のものもありますよ。
悲しいことが多いのですけど・・・

・・・他にも書きたいことがありましたが、文章になりません。。。
Posted by kyo at 2005年10月18日 21:36
kyoさん>奥山君のこと知っていたのですね。
牧野出版のブログというのは、お母さんの言葉が登場するやつですか?
私はまだまだ昔のほうから日記を読んでいるので、
今年になってからの日記にはたどりつけていません。

奥山君が文章にのこしていった意味を考えると、少しでも多くの人の目に届いたらいいなと思うので、kyoさんが読んでいたことうれしく思います。
Posted by コトリ at 2005年10月18日 21:58
同級生が亡くなるっていうのはなかなか実感がわかないものです。
2年前のお正月に新年会で会った友人がその年の7月に亡くなりました。
高校時代の仲のよかったグループの一人で元気だったのに、
突然の病気で闘病生活も2ヶ月たらずでアッという間でした。
病気になったことも入院していたことも友人達は(もちろん私も)誰も知らず、お通夜の時に顔を見て、それでも実感できませんでした。
葬儀、焼き場、一周忌と過ぎて友人と集まる時にその子がいないとあぁ本当に亡くなったのか…。となんとなく思います。
忙しくて集まりに顔を出せなかった時のように遅刻してきそうな気もします。

その子が亡くなった時に思ったのは突然何があるかわからないからこそ、後悔のしない生き方をしていこうと思ったことです。
今、私は好きな場所に行ったり、好きな事をしたり、好きな人に会うことが私の人生でやりたいことだと思っているのでそれが実現できているのは幸せなことだと思います。

長くなってごめんないさいね。
Posted by くに at 2005年10月19日 01:15
くにさん>自分のことも、家族も友達も、いつまでもいなくならないような気がしてなりません。その人が目に見える形でいなくなるということが想像できません。

でも生きていれば、「死」は必ず訪れるのですよね。今、こうして誰かと向き合えていることのほうが奇跡なんですよね。
そう思うと、くにさんの言うように「後悔しない生き方」をしなければと思います。
Posted by コトリ at 2005年10月19日 10:40
こんばんは。奥山さんのブログ一気に読みました。
書店で、表紙は見たことありますが、実体験の本だとは知りませんでした。
早速購入しようと思います。
サ母様のコメントには涙が出てきました。

どことなく、村上春樹さんのタッチ・表現が似ているな。と思いながら吸い込まれていくように読み込んでしまいました。
ドルフィンホテルより、イルカホテル。
またまたコトリさんからいい物・良い出会いを教わりました。
ありがとうございます。
Posted by chuchu at 2005年10月19日 19:17
幼いひと、若いひとの死は本当にやりきれないです。
たいせつなひとたちが亡くなって、もう逢うことができなくて、それでもその死をなかなか受け入れられません。
生きて、死ぬ。みんな決まっていること。
でも、彼らの先に待っていたであろう未来を想うと、本当につらいです。

奥山さんの日記、読みました。
淡々としていて、時折不安も垣間見えて、すごく生々しくて。
・・・言葉になりません。 
ご冥福をお祈りいたします。





Posted by 苔緑 at 2005年10月19日 22:37
chuchuさん>奥山君のブログを読まれたのですね。
サ母様のコメント、わたしも読みましたが母親の強さを感じました。
一番辛いのはご両親だと思うのですが。

村上春樹さんですか。一歩距離をおいたクールな表現方法は、そうかもしれませんね。
Posted by コトリ at 2005年10月19日 22:42
苔さん>子供や若い人の死は、無条件にやりきれない気持ちになりますね。
「死」は誰がきめているのだろうか?と考えてしまいます。

なので、あたり前ですが「死んでしまうまでは、がんばって生きる」と心にちかっています。

Posted by コトリ at 2005年10月20日 15:47
 
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