2008年06月29日

最後の夜

最後の夜
<毎日通った壺屋のすーじぐゎー>

ちょうど1年前の今頃、壺屋の高江洲アパートで最後の夜過ごしていました。
引越し作業も終わって、明日手持ちでもっていく荷物とグリとグラのはいった鳥籠だけの部屋。
3年半過ごしたその部屋は、はじめて越してきた時のようにガランと広くシーンとしていました。

最後の日は、徹夜で引越し作業があったり、読谷に挨拶にいったり、最後のフラにいったりして体力は限界にきていたのですが、眠ってしまうのがなんだかもったいなくて、見慣れた木目の天井を眺めて横になっていました。
壺屋の夜の音。蛙の合唱、虫の音、ネコのケンカ、犬の遠吠え・・・。
体全部が耳になったようにその音を深いところまで吸い込んでいました。
あたりまえのように繰り返しくる夜は、もうすぐあたりまえじゃないところにいってしまう。

でも沖縄で暮らす毎日、ほんとはいろんなことに気づいていました。
どの瞬間も一度きりなのだと。特別な時間の積み重ねが毎日を作っているのだと。
だからいつもと同じ道を歩いているだけでうれしかったし、朝が来るのも、夜になるのも幸せでした。

東京にもどってきて1年。沖縄でしみついたこの感覚は今も続いています。
東京には、シーサーも、ガジュマルの樹も、スーサーのきれいな鳴き声もないけれど、かけがえのない時間を大切に思う気持ちは同じです。
青空にのびる銭湯の煙突や、ビルの間にみえる夕陽、商店街の明るい笑い声。
明日、緑のコトリさんとコトリの東京生活2年目はじまります。


タグ :壺屋

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Posted by コトリ at 20:29│Comments(6)壺屋風景
この記事へのコメント
そっか、2年目に突入だね。
俺も26年間、青梅市民やってきたけど残りあと2週間になりました。
とても残念だけど、新しい土地も楽しもうと思ってるよ!
落ち着いたら遊びに来てね!
Posted by ほりふぃ~るど♪ at 2008年06月29日 23:06
そっか、2年目に突入だね。
俺も26年間、青梅市民やってきたけど残りあと2週間になりました。
とても残念だけど、新しい土地も楽しもうと思ってるよ!
落ち着いたら遊びに来てね!
Posted by ほりふぃ~るど♪ at 2008年06月29日 23:07
おもひでは、いつまでも心に鮮明に残ると思います。

同じ夜も朝もないけれど
それだけ毎日を一生懸命生きているコトリさんには


毎日が新鮮で
新しいものとの出会いが沢山あるんでしょうね♪

私もそうでありたいです。


心に残るそんな日々を充実して過ごすために。。。
Posted by mimi at 2008年06月30日 09:35
ほりふぃ~るど♪さん

もうすぐ引越しだね。
住み慣れた大好きな場所を離れるのはとても寂しいと思うけれど、新しい土地でまたたくさんの出会が待っているはずよ!
青梅にもいつだって帰れるし!遊びにいくね。

mimiさん

毎日同じような日々だとしても、丁寧に眺めてみれば同じことなんて一つもないんだよね。
その時その時はもう必死だけど、過ぎてみればいい思い出になっています。
mimiちゃんも今を大切にたくさん楽しんでね!
Posted by コトリ at 2008年06月30日 23:14
え?もうそんなにたつのですか?早いですね~。
ネコマーマ一家は元気ですよ。
旧コトリさん宅は現在K子さんの息子さんが借りています。
沖縄にきたときはまた一緒に遊びましょう!
Posted by まほろまほろ at 2008年07月01日 22:41
まほろさん

あっというまの1年でした。
でもすごく昔のような気もします。
ネコマーマー一家が元気ときいてほんとうにうれしいです。
不思議なもので、わたしがかっていた子たちでもないのに、離れてしまった今もいつも思い出します。8月に帰省したときはまっさきにネコマーマーたちのもとへ。
えっ!?K子さんの息子さんがあの部屋の住人に!
それはうれしいニュースです。ありがとうございました。
Posted by コトリ at 2008年07月01日 23:38
 
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