2006年03月28日

コトリ傍聴する

コトリ傍聴する

「原告の差し止め請求を棄却します」
那覇地方裁判所101号法廷に響く早口な裁判官の判決。
原告側もこの判決を予想していたのか、どよめきもなく裁判は閉幕しました。

今日は、西表島リゾート訴訟の判決の日でした。たまたま今日の裁判のことを知ったコトリは、仕事を休んで傍聴することにしたのです。警備員のおじさんに「傍聴したいのですが、傍聴券はまだありますか?」とたずねると、「配られるとしたらあのへんですが(駐車場を指さす)。たくさん聴きたい人がいる時だけ配られるんです」(カメラやマイクをもった報道陣は10人くらいいたのですが、一般の人の姿はないみたい・・・)要領をえないコトリはとにかく行ってみようということで101号法廷にトボトボ歩いていきました。


廊下でテレビカメラが何台か待機しているので、部屋の中をそっとのぞいていると「傍聴の方ですか?お入りください」と声をかけられ中へ。あれ?自分もいれて2人しかいないよ。
はじまる5分くらい前になると20人弱くらいの人が集まりました。(そのうち半分はプレス)

原告団の中に、見たことのある顔が。ガイアシンフォニーにも登場した石垣金星さんです。そうそう映画の中でも、この裁判の舞台になっているトゥドゥマリの浜(月が浜)のことをいっていたっけ。
今回この裁判の大きな特徴は、インターネットで全国から原告を募ったこと。自然を愛する気持ちがある人なら、島外の人でも原告として認められるということ。

今日の判決
「島内に住む人の生命や身体、健康の被害があり、被害の程度が社会生活上、受忍限度を超えている時は、差し止めできるが、現状はこれにあてはまらない」

被害が大きくなってから「やっぱり失敗だった」って止めてもおそいし、海ガメやハマグリやモクマオの林には守ってもらえる権利がないというのは不平等(人間に対して)なことだと思ったコトリでした。



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Posted by コトリ at 17:19│Comments(8)社会
この記事へのコメント
「たぬきの森」といい今回の西表島の開発といい、「利益優先の結果」現在あちこちで起きている自然破壊、しかも再生不可能な状況を作り出していることをいつになっても学ばないのですね。
最近は想像力のない人達が増えたってことかな。残念です。
Posted by くに at 2006年03月28日 21:26
くにさん>ほんとそうですね。目先の利益がとても大切で、遠い未来や不特定多数の人たちの幸せなんてどうでもいいのかなーと悲しくなります。裁判では負けても、結果的にはこのホテルの経営はむずかしいんじゃないかなと思います。でも、こわれてしまった自然が再生するには、数十年とかかるでしょうが・・・
Posted by コトリ at 2006年03月28日 22:50
大学の時は法学専攻だったので裁判所に傍聴に行ったことが
あるのですが、
それ以来、行っていないな~。
Posted by あっきぃー at 2006年03月29日 09:22
あっきぃーさん>あっきぃーさん、法学の勉強していたんですか!なかなか傍聴する機会なんてないですよね。ハリウッド映画では、よく裁判ものを昔見ていた気がしますが。弁護士ってかっこいいなーって。
Posted by コトリ at 2006年03月29日 21:13
なんだか、凄く残念な判決だったんですね。
人間の強欲によって、自然が破壊されていくって
とても悲しい愚かな事・・・。
沖縄の観光資源のはずの素晴らしい自然環境を
壊していくなんて本末顛倒で滑稽な話。

世界遺産に申請なんてハードル高い事言わないから、
国がバックアップして、自然を取り戻す事業でも始めて欲しいですね。
Posted by たーかー at 2006年03月30日 10:37
たーかーさん>石垣金星さんも言っていたように「お金があればなんでもやっていいのか」という発想、とても悲しくなります。
そこは島の人たちが大切に守ってきた場所。だから美しい自然がのこされていたのに・・・。リゾートホテルとしては、絶好のロケーションなんでしょうけど、その条件が逆にビジネスのターゲットになってしまうというのは皮肉な話です。
「国がバックアップして自然を取り戻す」、ほんとうにそうしてほしいですね。
Posted by コトリ at 2006年03月30日 22:00
こんにちは。
傍聴、たいせつなことですよね。
「関心をもっているよ」「監視しているよ」というメッセージを、他ではなかなか示せませんから。

残念ながら裁判官が、ほんとうの受忍限度への想像力を持てなかったのですね・・・
コトリさんの一文から、奄美で動物たちを原告にして起こされた裁判のことを思い出しました。
ネットでの原告公募、いい形でひろがって行けばと思います。
Posted by びん at 2006年04月02日 17:28
びんさん>わたしはこの裁判は、もっと世間の関心を集めているものだと思っていたのです。でも一般の人で傍聴している人は少なくて「あれ?」と思いました。(平日というのもあるでしょうが)。
今回の判決はとても残念でしたが、環境問題の裁判として新しい第一歩を踏み出したのだと感じました。直接の被害者だけではなく、みんなの力で自然を守っていきたいですね。
Posted by コトリ at 2006年04月02日 22:15
 
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