2008年07月22日

都会の中の森


先日、明治神宮の森にいってきました。
沖縄の作家、名嘉睦稔さんの木版画展「命の森」を見にいったのです。
睦稔さんのトークライブもあり、沖縄のこと、自然環境のこと、神宮の森のこと、作品創りのことなどたくさんいいお話を聞くことができました。

職場のある高層ビルから東京を眺めると、ビルばっかりの景色の中に、ぽっかりと巨大なブロッコリーのような緑群が出現します。それが明治神宮&代々木公園のあたりです。遠くからみても、その緑たちがかもしだすパワーとか、神聖な空気を感じます。睦稔さんが言うように「都市は大自然の中にあると言えるし、深い意味においては、都市もまた自然そのものだと・・・」。
私たちが暮らすこの東京も、ふだん自然と切り離された場所のように思ってしまいますが、大自然の一部であり、自然の外にあるのではないのです。
睦稔さんの作品の中で今までみたことのないモチーフのものがありました。
高層ビルが立ち並ぶ景色です。さだかではありませんが、タイトルのなかに「森」という言葉がはいっていたと思います。人工物であるその建物がとても美しく目にうつりました。

明治神宮の森は、今から88年前(大正9年)に人の手によって作られた森です。38年前に調査をした時、すっかり自然な状態になっていることが判明したそうです。私たちは、自然を破壊する一方、自然を作ることができる可能性をこの森は教えてくれます。
森は必要です。わたしたち生命にとってそれは光であり、水であり、空気です。
睦稔さんの作品からも伝わってきます。

名嘉睦稔木版画展 ~命の森~
第一部/陸の森 7月12日(土)~8月17日(日)
第二部/海の森 8月23日(土)~9月28日(日)
会 場:明治神宮文化館 宝物展示室
  

Posted by コトリ at 22:55Comments(0)本・映画・アート

2008年07月15日

「センセイの鞄」

「西の魔女が死んだ」で泣いたと思ったら、また泣いた。
最近、コトリは読書中毒にかかってしまったようです。
2日に1冊のペースで小説を読み続けています。
マニアックなものではなく、どれもヒットした本が中心です。
最近、読んだものはほとんどはずれがなく、感想を日記に書きたくても読書のペースに筆がおいつかないです。

でも「センセイの鞄」 (川上弘美)については、どうしても今すぐ書かずにはいられない気持ちになりました。昨日の夜中、最後のところを読み終わり、小鳥たちも夫も寝静まった暗闇の中でおいおい泣きました。悲しくて、でも幸福な気持ちで。

数年前、友人が「コトリは好きだと思うよ。おすすめだよ」と紹介してくれた本でした。
高校の恩師センセイと主人公ツキコさんのお話です。
恋愛小説というにはあまりにもゆるやかで、おぼろげで、それでいて愛が深い。
センセイが「ツキコさん」と言ったあとに、ほめる言葉も諭す言葉も心地よく響くのです。
国語の先生だったセンセイは、言葉がとても正確で笑ってしまうほど美しいのです。
人を好きになることは、年齢は関係ないなと思いました。自分のも、相手のも。

心にススがついたような時は、この本を何度もよみかえすことでしょう。
センセイとツキコさんの会話が洗ってくれます。


  

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2008年07月07日

「西の魔女が死んだ」





「西の魔女が死んだ」(梨木香歩作)。

本屋さんで文庫本がたくさん平積みされているのをみて、読んでみたいなという気持ちと同時に「ん?このタイトルに記憶があるぞ」という気がしました。
実家にいって本棚を探してみると、やっぱりありました。
本の間にレシートまではさんだままになっていて、日付をみると1998年5月2日。約10年前です。
10年前というと、あの会社に勤めていて、周りにはあんな人たちがいた時代かーとなつかしい気持ちになりました。

実は、この本最後まで読んでないのです。最初の数ページで読むのをやめてしまったのです。
当時の私にとって「魔女」というキーワード(物語設定など)にしっくりこなかったのかもしれません。
いずれにせよ10年後の今、「西の魔女が死んだ」を読み始めたのです。
そして感想、「こんな素晴らしい物語をわたしとしたことが10年もほったらかしにしてたなんて!?」。
今の自分には、とても胸に染み入る物語でした。

「悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決めたことをやり遂げる力です。その力が強くなれば、悪魔はそう簡単にはとりつきませんよ」

「まいにとっていちばん価値のあるもの、欲しいものは、いちばん難しい試練を乗り越えないとえられないものかもしれませんよ」

おばあちゃんは、魔女修業をして強くなりたいと思うまいに言います。

魂のこと、死のこと、幸せの意味、この物語にはそんな答えをみつけるためのヒントがたくさん散りばめられているような気がします。この物語を読んで、コトリはいつか誰かのおばあちゃんになりたいと思いました。そして「アイ・ノウ(わかっていますよ」と孫に優しくうなずくのです。(魔女コトリ)

  

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2008年05月19日

デザイン・フェスタ




週末に東京ビックサイトで開催されていた「デザイン・フェスタ」に行って来ました。
1994年から年2回開催されているイベントも、今回で27回目。
前回は、7000人が参加し、5,3000人が来場したそうです。
コトリも数年前に遊びにいったことはあったのですが、ひさびさのビックサイトイベント、規模の大きさに圧倒されました。最近では、混雑する時間帯の街歩きなどもさけているような暮らし方なので、刺激強。

とはいえ、今回はただ遊びにきたわけではありません。
コトリ工房出展の場としてのリサーチもかねて、自分が出す可能性があるブースエリアから歩いてみました。間口1.8m奥行き1.8mの小さなブースが、目がチカチカするほどのにぎわい。
これだけの参加者がいると、一つずつじっくりみるというのはむずかしい。
ぱっと目をひくブースに立ち止まり、作品をみるスタイルでいきました。

自分が出展する側に立って考えると、作品に興味をもち、立ち止まり、手にとってもらうにはどんな展示の方法がいいか工夫が必要です。
人が集まるところには集まっているのだから、作品の魅力はもちろんのこと、ブースの第一印象も大切なんだなと思いました。

手作り雑貨には財布のひもがゆるみがちなコトリですが、今回購入したのは「コトリ舎」さんの小鳥柄のハンコ一つ。
ほかに目がとまったのは、文鳥のフェルト人形やオカメインコのシール、オカメインコのフェルトの指輪などなど。ぜんぶ小鳥・・・。
このように自分が出展する場合も、ターゲットをしぼったほうがいいかもしれないと思いました。

  

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2008年05月13日

エリック・カール展



松屋銀座で開催されていた絵本の魔術師「エリック・カール展」最終日にいってきました。
乳母車に赤ちゃんをのせたお母さんがたくさんきていました。
エリック・カールさんの代表作といえば「はらぺこあおむし」。
おなかをすかせた小さなあおむし君が、いろんなものをどんどん食べて成長して美しい蝶になるお話。
あおむし君が通った食べ物の絵は、実際に紙にまーるい穴があいています。
「ティッシュー」とよんでいる色をつけたうすい紙をきりとって絵にする、コラージュという技法をつかっています。
会場では、その制作風景をビデオで見ることができました。
何枚ものきれいに色をぬられた紙が印象的でした。

エリック・カールさんの独特の技法や色の美しさもさることながら、ストーリのおもしろさ、シンプルさ、あたたかさに惹かれます。
子供たちに向けて、メッセージが飾られていました。
「まわりにやさしくなろう」

動物を、人を、世界をやさしい目でみているからこそ生まれた数々の絵本たち。
大切なのはなぜ絵本を作りたいのかだということをあらためて思いました。  

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2008年04月03日

石井桃子さん

児童文学作家の石井桃子さんが昨日なくなられました。
101歳でした。ご冥福をお祈りいたします。

石井桃子さんといえば、「ノンちゃん雲に乗る」で有名ですが、コトリの蔵書「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」の翻訳もしています。この翻訳が素晴らしい!のです。といっても英文で読んだことがあるわけではないのですが、プーのちょっと気が抜けたような素朴さ、素朴がゆえの強さ、ユーモアがじゅうぶんに伝わる文章なんです。
この「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」を読んで、コトリの中のなにかが動きました。この先続く人生によい影響を与えてくれたのはたしかです。

作者のミルンは、この物語を自分の息子のために書きました。そして息子が大きくなってからは、子供の本はふたたび書かなかったそうです。石井桃子さんと「クマのプーさん」がはじめて出会ったのは、25、6歳のとき。あるクリスマス・イブに、ある家ノツリーの下に"The House at Pooh Corner"(『プー横丁にたった家』)を発見して、子供の前で訳してあげた時からのつきあいだそうです。「プーの本は、生まれるべくして生まれてしまったのです」と石井桃子さんがあとがきに書いたように、プーと桃子さんも出会うべくして出会ったのでしょう。

素晴らしい翻訳をどうもありがとうございました。  

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2008年01月21日

フランス人




ついに風邪をひきました。緑のコトリさん、続いてコトリも。
南国から引越してきた私たちは、この冬の寒さをどう乗り切るかが鍵でした。
大きな窓に囲まれた明るい部屋は太陽の光もいれますが、一方冷気もはいってくるのです。
おまけにオーダーメイドのカーテンはまだ届きません。サッシの下の部分にダンボールをひいて寒さをしのいでいます。

そして、ゴホゴホと苦しい咳をしながら、心の栄養にと読んでいるのが吉村葉子さんの本
お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」と「激しく家庭的なフランス人 愛し足りない日本人」。
20年間のパリ生活を経て、現在は神楽坂で「ジョルジュ・サンド」というお菓子屋さんを営んでいます。「ジョルジュ・サンド」にはまだ入ったことがないのですが、店の前を通る時に中をのぞくと、吉村葉子さんらしきマダムがとてもにこやかに接客をしているのが見えました。

「お金を出さずにあるモノで、豊かな生活」と第一章にあります。
これはフランス人の基本的な姿勢といえるのでしょう。
なんでも「なければ買えばいい」ではないのです。あるもので工夫して暮らしていけばいいのです。
ふと、本を読みながら、沖縄での生活を思い出しました。
給料安くてよけいなものを買っているよゆうがないから、ある材料で手作りしたり、代用品探したり、フランス人的だったなと。
東京はモノがあふれ、ハンズやロフトなんかいこうもんなら、買う予定じゃなかったものまで買ってしまったり。その点、緑のコトリさんは完璧なまでにフランス人です。見習うべき人が近くにいるのはいいことです。
そして、わが家の最近のおやつはもっぱら、「バゲット・オ・ショコラ」
フランスのママたちをマネてみました。安くて、簡単で、あったかくて、おいしい♪  

Posted by コトリ at 12:51Comments(2)本・映画・アート

2008年01月11日

Cocco きらきら Live Tour


「ゆっくりね。続けよう。生きていくんだ。
答えは生きていればみつかる。答えがみたかったら生きていこう」(
Cocco)

歌手CoccoのきらきらLive Tour行って来ました。
久しぶりの東京武道館。以前来た時よりも小さく感じるのが不思議。
大学の入学式も卒業式もここでむかえた、そんな思い出の場所。

Coccoのライブを見るのは、2006年の8月15日の沖縄のコンベンションセンター以来でした。
あの時、Coccoが沖縄でライブをひらくのははじめてのことでした。
歌手をいったん休止して、5年の月日を経てふたたびみんなの前で歌い始めたCocco。
歌詞も曲調も、以前のCoccoより明るく、強く、健康的になっているという印象でした。

今回、コトリが見にいったのは「アコースティック・スペシャルナイト」。
沖縄のレコーディングで使ったサンサンスタジオをイメージしたリビングルームのようなセットでした。
Coccoは、一児の母なんだよね。たくましくなるよね。そんなふうに感じました。
昔は、どうしても「死」のイメージが離れない歌詞が多かった気がしますが、今のCoccoは「生きていこう」という決意がひしひしと伝わってきます。この歌声、世界で一番スキかもしれない。



  

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2007年10月26日

「NARA:奈良美智との旅の記録」

昨夜ようやく札幌の展示会用の作品を発送しました。
これから東京展示会に向けて、もうひとがんばりですが、雨の金曜日の今日はほっと一息。
ひさしぶりに早稲田松竹に映画を見にいってきました。
見たのは2本立て。 
「NARA:奈良美智との旅の記録 」と「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」。
奈良さんは日本でも外国でもとても人気のある現代アーティスト。
フランク・ゲーリーは、私もこの映画を観るまで知りませんでしたが、「世界で最も忙しい建築家」とよばれている人です。

ものを作る人の孤独と葛藤と喜びと、作らずにはいられない本能みたいなものを、2つの映画から感じました。
奈良さんの絵は大好きで、言葉も胸をうちます。
森の奥深いところにある泉の前で一人たたずむ空気をもっている人です。
映画の中でもそうでしたが、絵を描くためだけに生まれてきたような素朴で純粋で、はずかしがりやなその姿に、ほんとうのアーティスト像を重ねてしまいます。なになにぽくしようとせず、かっこつけず、どこまでも奈良は奈良さんなのです。
昨年、青森の弘前で開催された展覧会『AtoZ』。そこにたどりつくまでの軌跡をこの映画で見せてくれます。コトリは残念ながら『AtoZ』にいけませんでした。弘前までいく予算がなかったのです。でも、改めて映画を観て「借金してでも行くべきだった」と後悔しました。その作家(奈良さんに限らず)と同時代に生きているという境遇を大切にしたいと思うのです。

一度だけ、奈良さんにお会いする機会がありました。その時に、奈良さんにもらった言葉は、今でもコトリのものを作るうえでの大切な支えになっています。「これは・・・・・・いいね!!」
大切なのは続けていくこと。自分を信じること。
  

Posted by コトリ at 18:10Comments(2)本・映画・アート

2007年10月09日

映画「めがね」

キーワードは「たそがれる」。
とある南国の島にゆるりと流れる空気を楽しむことができました。
「かもめ食堂」のスタッフとキャストがふたたび集まりこの映画ができました。
「ゆるり感」は、かもめより「めがね」のほうがさらに深まっている感じがしました。

はじめて「めがね」のチラシを見た時、「この『とある南の海辺』はきっと沖縄の離島に違いない」と思いました。
海の色、岩の感じ、砂浜の色。
ロケ地は沖縄ではありませんでしたが、おとなり与論島でした。
「ああ、なるほどな」と思いました。
去年の10月にはじめていった与論島ですが、映画の中のイメージにとても近いものを感じたものです。
かつてはリゾート地としてにぎやかな島だったとききますが、今は観光客も時々みかけてるていどのゆるーい雰囲気の島でした。
映画の中でみんなが「たそがれ」ていたように、たそがれるにはもってこいの場所です。

「たそがれる才能」をもった人たちをひきよせるとある南の海辺の物語。
映画の中に出てくるメルシー体操も、最高に心地よさそうです。
またふらりと旅に出たくなりました。  
タグ :映画めがね

Posted by コトリ at 11:39Comments(4)本・映画・アート